肌が粉をふく、ピリピリする、メイクがうまくのらない…。
そんな「いつもと違う乾燥」を感じたとき、ただ化粧水を重ねても追いつかないことがある。乾燥がひどい時というのは、肌が一時的にバリア機能を失い、水分を保持できない状態に陥っているサイン。だからこそ、日常のスキンケアとは少し違う、“レスキュー的保湿”が必要になるのだ。
今回は、乾燥がピークに達したときのスキンケア方法を、肌の状態別・時間帯別に分けて紹介していこう。
■ まずは「クレンジング」と「洗顔」を見直す
乾燥がひどいときに最初にするべきは、「何を塗るか」ではなく、「何で落としているか」を見直すこと。実は、肌の水分を奪う原因の多くはクレンジングと洗顔にある。
- クレンジング:ミルクタイプやバームタイプの低刺激処方を選び、必要以上にこすらない。濃いメイクは事前にポイントリムーバーで優しく落とすのが◎。
- 洗顔:洗浄力がマイルドなアミノ酸系洗顔料がおすすめ。泡立てネットを使ってたっぷりの泡で洗い、ぬるま湯で丁寧にすすぐ。
ポイントは、「落としすぎない」。乾燥がひどい時は、朝の洗顔をぬるま湯だけにするのもひとつの手段だ。
■ スキンケアの黄金ステップ:水分補給+油分密封
乾燥のピークを乗り切るには、肌に水分を与えて→油分でフタをするというスキンケアの基本を徹底することがカギ。
1. 化粧水:優しくじっくり染み込ませる
保湿成分(ヒアルロン酸、セラミド、アミノ酸など)が豊富な化粧水を手のひらでゆっくりハンドプレス。乾燥がひどい時は、1回で終わらせず、2〜3回に分けて少量ずつ重ねるのがコツ。
2. 美容液:保水+バリアサポート
乾燥が激しいときは、セラミドやナイアシンアミド、パンテノールなどが入った美容液でダメージ修復をサポート。特にバリア機能の回復に特化した美容液を選ぶと、肌が落ち着くのが早くなる。
3. 乳液 or クリーム:油分でしっかり密閉
水分を与えるだけでは、すぐに蒸発してしまう。保湿成分+油分のバランスが良いクリームで、水分を“肌にとどめる”役割をしっかり果たす。乾燥が強いときは、乳液よりも油分多めのクリームがおすすめ。
■ スペシャルケア:シートマスク&バーム
乾燥が“いつも以上”にひどい時のレスキューアイテムとして、次のようなケアを取り入れると即効性が期待できる。
- 保湿系シートマスク:週1〜2回、セラミドやヒアルロン酸などがしっかり入ったシートマスクで集中保湿。長時間のせすぎは逆に水分を奪うので、規定時間で外すことが大切。
- 保湿バームやワセリン:特に乾きやすい頬、目元、口元には、最後にバームやワセリンで“油分のフタ”を。水分蒸発を完全にシャットアウトしてくれるため、乾燥の悪化を防げる。
■ 朝と夜でスキンケアを変える
乾燥がひどいときは、「同じケアを朝晩」では不十分。時間帯によってアプローチを変えるのもポイント。
朝:軽やか&うるおいキープ
- 化粧水+保湿美容液
- 乳液 or ジェルクリーム
- UVカットも保湿力重視(乾燥肌用の日焼け止め)
朝はメイク崩れを避けたいので、軽めの保湿にして“潤いが逃げないベース”を作る意識で。
夜:リッチな重ね付けで集中補修
- 化粧水を2〜3回ハンドプレス
- 高保湿美容液
- こっくり系クリーム or 保湿バーム
夜は“肌の修復タイム”なので、惜しまず重ねて包み込むように。睡眠中に肌が水分を失わないよう、しっかり密封して休ませよう。
■ 乾燥対策は“肌だけ”では完結しない
いくら丁寧にスキンケアしていても、外的・内的要因が整っていなければ、乾燥は改善しにくい。次のような生活習慣も意識してみよう。
- 加湿器の使用:室内湿度は50~60%をキープ。寝室にもぜひ。
- 水分補給:体の中の水分が足りないと、肌もうるおわない。
- 食事で保湿力を補う:ビタミンA・E、必須脂肪酸、たんぱく質をしっかり摂取。
- 質のいい睡眠:肌の再生には、夜10時〜深夜2時の“肌のゴールデンタイム”が鍵。
■ 最後に:乾燥は「肌の声」
乾燥がひどいとき、それは肌が出している明確な「SOS」。
「いつも使っている化粧水を重ねれば大丈夫」と思わずに、一度立ち止まって、“いまの肌に必要なもの”を見直すことが大切だ。
スキンケアの正解は、肌が教えてくれる。
乾燥がつらいときこそ、自分の肌を丁寧に扱い、やさしく寄り添う時間を持とう。それだけで、肌もきっと応えてくれるはず。